トワイライトエクスプレス「瑞風」について鉄道ジャーナリスト中嶋茂夫さんに聞いてみた

まちの話

おはようございます!民宿美味し宿かどやのGakuです。先日、鉄道ジャーナリストの中嶋茂夫さんにお会いする機会がありました。中嶋さんは鉄道の楽しさを伝えるとともに鉄道ビジネスにも精通された方です。

中嶋茂夫さんと

また、但馬地方にルーツがあるとのことで、豊岡市、城崎温泉、香住のことなどもとても詳しいです。今回、2017年春に山陰本線を走る予定のトワイライトエクスプレス「瑞風」について鉄道ビジネスを絡めた地域活性化についてお話をお伺いしました。今日のブログ内容はかどやに、但馬にお越しになられるお客様に向けたお話ではありません。当ブログは但馬地方、地元の方も多く読まれているようです。但馬の方、ぜひ、ご一読ください。

中嶋茂夫さんが鉄道好きになった理由と但馬との関係

ルーツが豊岡市にあり、今も親戚が城崎にいらっしゃる中嶋茂夫さん。幼少期に列車(当時は国鉄?)で竹野浜に家族で海水浴に行った時のこと。列車の中では大はしゃぎ。でも、海に着いてからはずっと不機嫌。その時の事を親に「お前は列車の中だと機嫌良いのに海では機嫌悪かった。」と事あることに言われたとか。それが刷り込み?!になり、「自分は列車に乗っているのが好きなんだ」という思いを持ち続けて成長、鉄道好き、鉄道ジャーナリストとしての素地は、但馬への列車旅行で生まれたものだそうです。

海水浴全盛時、昭和後半の佐津海水浴場私と同い年の中嶋茂夫さん。私たちが子供の頃は
海水浴バブルで家族で海に行くのが定番でした。
※写真は昭和後半の佐津海水浴場

トワイライトエクスプレスとは?

トワイライトエクスプレスとは、寝台特急列車のこと。現在、特別なトワイライトエクスプレスで行く旅行がブームです。クルーズトレインとも呼ばれ、高価格帯で贅沢な旅が楽しめます。今ですとJR九州のななつ星が有名。3泊4日で38万円 – 95万円もします。2017年にはJR東日本で「TRAINSUITE四季島」、JR西日本で「瑞風」が同じような高価格帯で予定されています。

TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)のイメージ動画です!

城崎温泉に停車することになった「瑞風」

先日「瑞風」のルートがJR西日本より発表され、山陰海岸を通ること、城崎温泉に停車することが決まりました。

余部橋梁を走る「瑞風」我が町の余部橋りょうを通ることも正式確定!!

「瑞風」が通ることを具体的に地域活性化に活かせないか?2017年春の運行までに地域として準備できることはないか?そんなことを鉄道をビジネスとつなげてお話しできる中嶋さんにお聞きしたかったのです。

「徹底分析JR東日本」より「徹底分析JR東日本」より
鉄道をビジネス的視点から分析

ななつ星にも乗ったことがあり、高価格帯の寝台特急列車のマーケティング的な角度からのお話もうかがえました。

トワイライトエクスプレスに乗車されるのはどんな人?

まず、お客様像が見えないとどんなおもてなしをしたら良いのかがわかりません。トワイライトエクスプレスにはどんな人が乗っているのか。「ななつ星」に乗られた時の経験からお聞きすると、会社をリタイアされて臨時役員や会長職などにつかれている元社長さんご夫婦、といった感じの方が多かったとのこと。意外にも鉄道オタクな人は少ないとのこと。いわゆる列車に乗るのが好きな「乗り鉄」と言われる人から見るとトワイライトエクスプレスは、高額でしかも2人でないと乗れない(一人の場合、二人料金に近くなる)。むしろ高嶺の花でアンチが多い、とのことです。海外旅行やクルーズ船に乗られるような方が、列車の旅を楽しむ、といった感じだそうです。また、結婚記念日の30周年旅行とか40周年旅行などで利用されている方もあったそうです。

夫婦旅かどやでも近年おしどり夫婦旅が急増中!

どんな方が乗られるのかを知ることで、どんなおもてなしをすれば良いかのイメージがつけやすくなります。

トワイライトエクスプレス「ななつ星」での地域活性化成功事例

では、実際にトワイライトエクスプレスでうまくいっている地域活性化事例ってありますか?とお聞きしたところ、現在運行している「ななつ星」での2つの事例をお話くださいました。

(1)うきは駅の事例

毎週火曜日に停車するうきは駅。当初こちらの駅は停車していませんでした。こちらの駅では「ななつ星」が通過する際、地域を挙げてたくさんの人たちが集まって手を振る、ということをされていました。すると、次第に列車内でも「間も無く通過するうきは駅では多くの住民の方が手を振ってくださいますのでぜひご覧ください」とアナウンスされるようになったそうです。更には毎週火曜日には停車することが決定。停車時には園児や名物の踊りでお迎えしたりしておもてなしされています。

うきは駅のおもてなしの様子

「ななつ星」がまちを通過することを歓迎し、それをもてなす熱意が通じたことが停車駅として選ばれる結果となりました。ただ要望したり陳情するするのではなく、実際に行動することで停車が実現した。これってすごいことですよね。

(2)都農町のトマトジュース

2つ目の事例は「ななつ星」のルートにある都農町産で、「ななつ星」車内で出されている黄金色のトマトジュース。これが色がユニークなだけでなく、糖度の高いトマトですごく美味しいのだとか。こちらの評判が上がったことにより、都農町の道の駅の集客数は増加、トマトの生産量も倍増したそうです。

特産物をトワイライトエクスプレス内で使ってもらう。このことによる宣伝効果はとても大きいそうです。

そういえば、但馬食材の中には「JALのファーストクラスの機内食で採用」された、という紹介で価値を上げた事例があります。

JAL – 兵庫|日本が誇る各地の魅力を紹介するJAL

こういった取り上げられ方は積極的にされたいです。

具体的に受け入れ地域としてどんなことをすれば良いか?

実際に「ななつ星」に乗って最後降りる際には、各地域でいただいたノベルティやパンフレットで両手がいっぱいになるのだそうです。その際にどれだけ「次に訪れたいな」と思ってもらえるインパクトのあるプレゼントを渡せるか。例えば香美町の場合、城崎温泉に停車した際にお客様に差し上げられる何かがあればベストです。あるいは特産物を紹介できる停車時間を5分でも10分でも持ってもらえるよう、「うきは駅」のようなおもてなしの取り組みも必要です。

ゆるキャラかすみちゃん地域住民も巻き込んで
かすみちゃんも一緒に手を振ろう!

以上、「ななつ星」の事例をお聞きしました。置き換えて考えてみると、我が町が「瑞風」のルートとなる上でそのまま参考にできます。実際に行動することで地域にもたらす影響は、よくすることもできますし、何も起こらなくもできます。大切なのは迎える側として何ができるかを今から考えること。ただ、黙って見ているだけではダメですね。そんな刺激的なお話をお聞きする貴重な時間をいただくことができました。中嶋茂夫さん、ありがとうございました。

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TODAY’S PHOTO
鉄道ジャーナリスト中嶋茂夫さんと
中嶋茂夫さんと今から2017年春が楽しみです!!

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