神戸ビーフ(神戸牛)と但馬牛(但馬ビーフ)ってどう違うの?

グルメ食材

五月晴れ。しばらくこの天気続くそうですよー


梅雨入りまで、この天気楽しみましょうね♪

 

おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです。

さてさて。昨日紹介させて頂いた但馬牛専門店。

その中でちょっと不思議なわかりにくい記載があったと思います。

「但馬玄」とは、香美町の誇る上田畜産さんで育てられた但馬牛(うし)のお肉。兵庫県の中で最も優れた分類に与えられる「神戸ビーフ」の称号を得ています。

そうなんです。神戸ビーフのランク相当の最高級但馬牛をリーズナブルに食べることができるのです。

この文章の中に紛らわしい言葉がありますので説明いたしますね。

但馬牛「たじまうし」と「たじまぎゅう」

まず、但馬牛という漢字には2種類の読み方があります。それが「たじまうし」と「たじまぎゅう」です。この読み方の違いについて。

たじまうし

これは文字通り、牛の事。生きた牛、という意味です。


但馬地方(兵庫県北部)で生まれた牛です

たじまぎゅう

では、「たじまぎゅう」と呼ばれた場合。

これは、お肉になった状態です。


生きた牛ではなく、
食べるためにお肉になった状態こと

「たじまぎゅう」は「但馬ビーフ」とも呼ばれることがあります。

これは「神戸ビーフ」に呼応した呼び名と言えます。

まずは、この2つの呼称の違いをしておいて下さい。

「神戸ビーフ」って??

では、神戸ビーフと呼ばれるのは何?

実は神戸牛という呼び方はされません。「こうべうし」「こうべぎゅう」という呼び方の違いもありません。

実は「神戸ビーフ」とは登録商標されたお肉の名称です。「神戸肉」とは呼ばれます。

「こうべぎゅう」という人はあるかもしれませんが、「こうべうし」とは言われません。その理由は、一般的に神戸で生きた牛を飼っているわけではないからです。

「神戸ビーフ」とは兵庫県で生まれ、育てられ、屠畜された牛のお肉のうち、上位ランクのものだけに与えられた称号なのです。

その為、但馬牛(たじまぎゅう)の中に「神戸ビーフ」の格付けをされるお肉もありますし、三田牛や淡路牛の中に「神戸ビーフ」の格付けをされるお肉もあるのです。

「神戸ビーフ」の詳しい格付け

ちなみに一昨日、山陰海岸ジオパークのガイド養成講座に出席してきました。その中で講師の先山先生が但馬牛について詳しく説明されましたので、その時のスライドをそのままお借りします。


この図で一目瞭然です♪

但馬牛の中で、肉質(霜降り等級)が高く、歩留まりの良いお肉が「神戸ビーフ」になるということ。専門的には以下の通り。

兵庫県産(但馬牛)および神戸肉・神戸ビーフの規約 第21条
「神戸肉・神戸ビーフ」とは、「兵庫県産(但馬牛)」のうち、未経産牛・去勢牛であり、枝肉格付等が次の事項に該当するものとする。
肉質等級: 脂肪交雑のBMS値No.6以上
歩留等級: A・B等級
枝肉重量: 450kg以下

なので、但馬牛の中から神戸ビーフが選ばれる、と言った感じです。

理由は至って簡単。「神戸ビーフ」と言った方が高くで売れるから。いや、でも但馬牛の中で上位ランクのものしか「神戸ビーフ」を名乗れないわけですから、高いのは当たり前ですよね。


「神戸ビーフ」但馬玄という呼称となる
のはそのため

昨日紹介したいろりダイニング三國さんが、但馬牛専門店、とうたっているけど全て「但馬玄」を使用している。すなわち、「神戸ビーフ」を使っている。

神戸ビーフが但馬牛クラスの価格で食べられる。非常にお値打ち、というのはそういう意味になります。

ホント、三宮で神戸ビーフのステーキ食べたらすぐに1万円、2万円行きますが、ランチなら3千円ぐらいから。ディナーでも5千円ぐらいから「神戸ビーフ」を食べられるというのはとてもお得なんです。


但馬牛の基準(この上位が「神戸ビーフ」)

但馬牛から松坂牛の意味

せっかくなので、もう一つうんちくをば。

例えば、松坂牛と佐賀牛の違いって分かりますか?

松坂牛は但馬牛を肥育したものです。

つまり、但馬牛を松坂で育てたものが松坂牛です。

では、佐賀牛や飛騨牛は?

こちらは但馬牛を子牛で購入し、自分たちの地域の牛と掛け合わせたりして、品種改良した牛の事です。


松坂牛・近江牛は子牛の時点では但馬牛

但馬牛は原則子牛として出荷するのがメイン。それを兵庫県内で育てて神戸ビーフを作るか、松坂や近江で育てられるか。あるいはその他の地域で独自に品種改良されるか、と言った感じになります。


素牛としても但馬牛は価値が高い

そんな中、「但馬玄」は但馬で生まれ、但馬で肥育され、但馬で屠畜されたものです。もっと言えば、遺伝子としては美方郡の牛同士でしか掛け合わせていません。

生粋の但馬牛であり、肥育過程も含めて究極の神戸ビーフです。


かどやではさすがに「但馬玄」は
お出しできませんが美味しい但馬牛を
ご用意できます。

以上、ややこしいお肉の呼称についての説明でした。

神戸牛(こうべうし)というのは存在しません。「神戸ビーフ」というのはお肉にしてみて初めて認定されます。但馬牛の上位のみに与えられたブランド名とお考えください。

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