宿泊時に何で住所を書かないといけないの?予約の時点でも住所の申告は必要?

宿の選び方

一昨日は大阪日帰り強行軍。

訳あって豊岡経由ではなく村岡まわり9号線経由で行きました。


なぜ9号線経由で言ったのか
また後日お話ししますね。

おはようございます。民宿美味し宿かどやのGakuです。

今日は宿泊約款に関するお話を。

2年ほど前のお話です。

今ならばもう喋っていいかな。

興味深いお客様とのメールのやり取りがあったので、紹介させて頂きます。

最初、お客様からの問い合わせに対して回答しているうちに、そのままメールでご予約を頂きました。

その際、電話番号と氏名、住所を教えていただけるようメールの返事でお願いしました。

すると、返信で

「個人情報になりますので、住所は行った時に書きます」

とのことだったのです。

ん?確かに個人情報保護法ってあるけど、それってお客様は拒否できることなのかな?

と思い、興味もあったので、当時調べてみました。その時の結論をご紹介します。


ちなみに宿泊時には住所記入は必須です
今回は予約時点でのお話です。

宿泊は契約なので、住所は求められる

結論から言うと予約の時点でも「住所は必要」だと私は考えています。でも、法的には必要ありません。

これは、3段階で考えて下さい。

(1)旅館業法により住所・氏名の提出が必須

まず、旅館業法第6条第2項の規定により、法律的は、ホテル側は宿泊者に氏名や住所の申告を求めなければなりません。これは犯罪防止の面だけでなく、例えば宿側が食中毒を起こしてしまった、感染症の疑いのあるお客様が同じ日に宿泊していた、などという最悪のケースにも対処できるようにとの考え方です。

旅館業法
(昭和二十三年七月十二日法律第百三十八号)
※改正:平成一八年六月七日法律第五三号

第六条 営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当該職員の要求があつたときは、これを提出しなければならない。
2 宿泊者は、営業者から請求があつたときは、前項に規定する事項を告げなければならない。

ちなみに平成18年の改正で厳しくなり、ラブホテルで住所や氏名の記入、対面での鍵の受け渡しが必要となりました。(実際、徹底されているかどうかは不明ですf^^;)

したがって、宿泊する段階では必ず氏名だけでなく、住所の記入は必要です。

でも、この時点では実際に訪れたわけではありません。「予約」という行為はまだ訪れていないからです。

(2)宿泊予約は「契約」に該当する

次の段階としては「宿泊予約」のとらえ方です。これは電話であっても「契約」なのですが、お客様によっては「契約」という概念のない方もいらっしゃいます。

これに関しては消費者庁のWEBサイトに興味深い記述があります。

宿泊契約の予約

消費者は,まず予約をしてから宿泊施設を利用することが多い。宿泊業者は,予約を受けた場合,指定された日に消費者が当該宿迫施設を利用し得るよう,宿泊する部屋等の確保を行う。このため,宿泊業者は,予約とは称するけれども指定した日において現実に宿泊するか否か及び当該宿泊施設のどの部屋に宿泊するかについて予約者が選択権を持つ不確定なものとは見ず,この段階で本契約が成立しているものと考えている。

一方,宿泊の予約は,電話により行われるものも実際には相当数あるものと思われるが,代金の支払など何らかの要式を踏んで初めて効力が生ずると考える消費者が多いため,予約金を支払っていない場合には,予約者の側から任意に取り消し得るものと考えてしまい,トラブルが生ずることにもなる。

消費者庁WEBサイト「宿泊約款」より

宿泊約款にあるように「予約」=「宿泊契約」なんですね。契約なので、契約した責任が生じます。万一の際は、取消料(キャンセル料)が必要になります。

最近の若い方は契約観念というのがしっかりしているので問題ありませんが、むしろ年配の方ほど、上記にあるように

お金を先に振り込んで初めて正式契約、お金まだ払ってないから前日や当日でもキャンセルしても良い、と考えている方がいらっしゃいます。

宿泊に食事の伴う旅館や民宿では、キャンセル料を求めらます。


キャンセル料の説明がなかったぞ!

という話になる場合もありますが、今やWEBでほとんどの宿泊施設がキャンセル規定を公開しており、電話での予約だから見ていない、知らないは通用しなくなっています。何より、予約契約をして行かない、特にキャンセルの連絡をしないというのは「威力業務妨害」という刑法における悪質な犯罪となる場合もあります。

以上を踏まえても、

予約は契約である

という点を多くの方が認識しておくべきです。

これは宿に限らず、コース料理等を予約する飲食店さん等でも同様です。

(3)契約に住所は不要

前述の通り、電話での予約は住所と電話番号程度しか聞いてないので、「契約」という観念が低くなりがちです。では最初の疑問、「契約」において「住所」は必要なのでしょうか?

実は、「住所」は個人、または法人の当事者をより限定するためのものという定義の様です。であれば、電話番号等でもよいわけです。

民法第22条(住所)

これは、契約の当事者をより限定することにより確定するために書いてもらうためであり、住所や所在地を書いてないからといって契約が無効になるというような性質のものではありません(ただし、当事者が確定できない契約書は証拠能力が著しく低いといえます)。

個人の場合は、同姓同名の氏名の人がいくらでもいますし、法人の場合であっても、数は少ないながらも、同じ商号の法人は存在します。

理論上は、契約書に記載された氏名や商号だけでも、(直筆のサインの場合は)筆跡鑑定などで当事者を確定させることは可能です。

民法条文解説.comより

つまり、最初のお話にあるメールの返事で言われたお客様の言葉

「個人情報になりますので住所は行ってから書きます」

は正しいのです。

以上が、法的に考えた場合の解釈になります。

かどやでは電話やメール予約でも 住所を聞くべきと考えています

では、かどやの場合、どうしているか。やっぱい一応お聞きします。それにお答えいただくかどうかはお客様の判断です。

ただ、電話予約の半分以上がリピーターさんですので、お名前と電話番号で調べれば住所は既に分かっているお客様も多いです。

当館のような小さな民宿、顔の見える宿の場合、信頼関係の構築も大切な要素かな、と。住所を隠したり、偽名を使って予約されるようなお客様もほとんどありませんし(笑)。

宿泊時には住所の記入は必須です。予約時には任意ですが、求められることが多いです。住所を書いても書かなくても「予約は契約」であるという認識は大切です。

そのように認識しておいていただければと思います。

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散髪しました


いや、そんな報告、いらないですよねf^^;

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