ビジネスホテルと旅館の違いについて~禁煙室やお部屋の冷蔵庫のこと

施設について

最近、ネットを見ていると「民泊」関連のお話をよく目にします。宿泊施設、同業者ということで、気になるニュースではあります。

なんと、民泊サイトであるairbnbと全日空が提携。ビックリです!

ただ、個人的には民泊するなら簡易宿泊施設や下宿営業の登録をして、ちゃんとビジネスとしてやった方が良いのでは、と思います。

旅館業法というとかなり厳しいイメージを持たれているかもしれませんが、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業と、細かく4つに分かれています。

簡易宿泊施設とは部屋数4室以下で、ホテルや旅館ほど厳しい規定はありません。来年施行される「民泊法」に基づいてやるよりも、簡易宿泊施設とはいえ、しっかり旅行業法の許可を得てやった方が、商売もやりやすいんじゃないかなって思います。

 

おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです。

さて、そんな旅館業法ですが、ホテルと旅館にも分かれています。

かどやは”民宿”とうたっていますが、5室以上あるため、法律上は簡易宿泊施設ではなく、旅館営業になります。


実はかどやって法的には”旅館”なんです

じゃあ、旅館とホテルの違いって?

最近お客様のご要望やお客様の声を拝見していると、この違いが全く理解されなくなってきていることを感じます。

別に理解する必要はないのですが、これによってできないことが生じているのも事実です。

2つほど例をあげますね。

(1)旅館でお部屋に空の冷蔵庫がない理由

よくお客様に指摘される項目に

「部屋に冷蔵庫がない」

というのがあります。当館でもよくご指摘いただきます。


ビジネスホテルの冷蔵庫

当館ではペットボトル型の飲料を自販機にて定価販売していますので、外から持ち込みをしていただく手間は不要です。

また、全室8部屋の小さな宿です。端から端まで1分以内で移動できる程度の建物です。お部屋にあった方が便利なのは確かですが、全てのお部屋に設置することは現在考えていません。

特に空の冷蔵庫はまさに旅館という事業形態上、置きたくないのが正直なところです。

以前、持ち込みに関するところでも触れました。

同じ理由になるのですが、旅館はビジネスホテルと異なり、「飲食店営業」の許可を取っているのです。

空の冷蔵庫を飲料だけで使われる分にはまだ問題はないかもしれませんが、食べ物での保管でご利用は極力避けたいのです。

「飲食店営業」とは、お客様が滞在期間中に召し上がられた飲食物における衛生上の責任を負うということです。お客様が何らかの持ち込みをされる場合は、お店、宿側も把握しておかなければなりません。

もちろん、コンドミニアム形式の自炊旅館もありますので、例外もあります。ただ、1泊2食付でされている一般的な旅館の場合、特にお部屋食の可能性もある旅館の場合は、空の冷蔵庫を置くというのはビジネスホテルと全く同じように考えることはできないのです。

(2)禁煙室はないの?

続いてもう一つ。

禁煙室希望

と、予約フォームの備考欄に書かれている方が時々あります。

ビジネスホテルでは禁煙室と喫煙室の区別は当たり前です。

でも、旅館、近年は大型旅館では禁煙室を設けるところが増えてきましたが、10室以下の宿の場合、これを厳格に運用するのがとても難しく、新たにオープンされたお宿さんでない限り、禁煙室運用をされている小規模旅館さんは少ないのではないかと思います。

少なくとも現時点(2017年10月現在)で100軒以上ある香住の宿で禁煙ルーム登録をされている宿は私が調べた限り2軒のみでした。


禁煙室は予約サイトのこだわり検索で
調べることができます

現在、当館には禁煙室の設定はありません。朝食の時のみ広間で全体食ですので禁煙とさせていただいています。


今や、全館禁煙にするのがあたりまえだろ!


禁煙室があるのが常識だろ!

そういったご意見もあろうかと思います。

それでも、当館ではまだ禁煙室の設定、全館禁煙には踏み切っていません。その理由をお話しします。

まず最初にお断りします。私自身、生まれてから一度もタバコを吸ったことはありません。

若女将も女将も。どちらからいうと家族は全員嫌煙者です。決して喫煙推進派ではありません。

宿としても可能であれば、全館禁煙にできるならばそうしたい。今でこそ喫煙者の人口が減りましたので急激に下がっていますが、少し前まで、火事の原因として「たばこ」(特に寝たばこ)は上位にランクしていました。私が帰ってきてからの20年間でもタバコの火の不始末による軽いボヤは2度ほどあります。

火事のリスクのあるタバコは、ましてや家族全員が吸わない状況では、ないにこしたことはないと思っています。


禁煙室を作れない理由

それでも禁煙室を作らない理由に当館が古い家屋だから、というのがあります。

部屋の構成が古いため、1部屋1部屋、形と大きさが違います。喫煙、禁煙で分けてしまうと、1名様が一番広い部屋に、4名様が一番狭い部屋に、なんていう管理と把握ができない状況が生じてしまう可能性があります。

実は、試みようとしたのですが、どうシュミレーションしても難しいことに気づいたのです。したがって、日々のお部屋の換気をしっかりさせて頂くことで、どちらのお客様にもご利用いただけるようにするしかないのが現状です。

これは本当に申し訳なく思っております。

ビジネスホテルと旅館を選ぶ判断基準にもなります

あえてこのようなブログを書かせて頂いたのは、ビジネスホテルの当たり前が旅館ではあたりまえでない、ということを知っていただきたいためです。

部屋に空の冷蔵庫があるのは当たり前。

禁煙室があるのが当たり前。

確かに、旅館でも対応されている宿はあるでしょう。逆にビジネスホテルでも対応できていない宿があるかもしれません。


旅館にするか、ホテルにするか・・・

宿泊施設が多様化する中、お客様が旅館にできないことを「ホテルならば当たり前」と言われたり、クチコミに要望として書かれることが多くなりました。

決して手を抜いていてやらないわけではありません。やれない事情があってやれないのです。

私自身は、このことをよくわかっているので、自分が旅行をする際は、その都度の旅行スタイルに応じて利用する宿を旅館とビジネスホテルで使い分けています。違いを知ることが、旅行をする際の宿泊施設を決める判断基準になります。

民泊も参入し、業態が多様化してきて、その違いがドンドンわからなくなってくる時代がやってきます。

業態ごとのこういった違いをあえて白状してしまう必要性に駆られている。そんな風に私は思っています。現時点では対応できていません。もちろん、何か良い改善策があれば随時対応していきたいと思います♪現状として正直なところを受け止めて頂けましたら幸いです。

 

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TODAY’S PHOTO
タグ付柴山ガニ(左)と香住ガニ(右)

茹でると松葉ガニと香住ガニ、
似たような色になります。


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香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
Tel:0796-38-0113
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