なぜ、旅館に飲食物(特に飲料)の持ち込みをしてはいけないの?

おはようございます。民宿美味し宿かどやのGakuです。昨日に続いて宿話シリーズです。ぶっちゃけ宿側都合の勝手な意見が続きますがお正月コラムとして読み流してくださいね。

今日は宿業界関係者の中でよく話題にあがるテーマを持ってきました。「ホテル」という業態と混在する今の時代、日本型宿泊施設である旅館や民宿にとっての常識が段々と知られなくなってきているという問題です。

なぜ、旅館に飲食物の持ち込みをしてはいけないの?

食事付宿泊を伴う旅館、民宿は持ち込みに対してとても敏感です。旅館業は保健所からレストランや食堂同様「飲食店営業」の許可を受けているためです。つまり、滞在中にお客様が飲食されたものの責任を持たなければならない(わかりやすくいうと食中毒を起こさない)責任があるためです。お菓子類などは良いのですが、生ものは特に敏感になります。お昼のお弁当の食べ残しを夜食で食べたお客様が腹痛を起こし、原因がわかるまで営業自粛になったお宿さんがありました。まれですが合食禁(たべあわせ)の問題もあります。

お弁当
お昼がお弁当の際
残して夜食、はやめてくださいね

お部屋でお菓子やペットボトルのジュース、缶ビールなどを飲まれる分にはかまいませんが、お弁当やお惣菜、生ものはなるべく持ち込んでいただきたくないというのが宿の本音です。時に「お部屋に空の冷蔵庫をおいてほしい」という要望もいただくのですが(当館の場合、単に置くスペースがお部屋にないだけなのですが)、空の冷蔵庫をお部屋に置く仕組みは、ホテル等素泊まりベースのお宿さんの考え方で、食事を提供する旅館だと、夕食の食べ残しを冷蔵庫に入れられる等不衛生なことが起こる可能性があるため、設置しづらいのです。

お食事時の飲料持ち込みがダメなのはなぜ?

では、お食事の際に飲料の持ち込みがダメなのはなぜでしょうか。こちらは食中毒リスクからではありません。先ほども述べましたが

食事中の旅館は「飲食店営業」の許可をとったレストランや食堂と同じ扱いだから

です。

飲食店営業許可書
旅館は「飲食店営業」なのです

当館のようなアットフォーム(←自分でいうwwf^^;)な民宿業態の場合、ついついそういった場であることは認識されにくいですが、実際のところはそうです。そんなに高くないと思いますが(2016.1.1現在ビール大瓶650円です)、飲食店事業者ですので標準小売価格より高くで販売しています。

更に、私たちが持ち込みを黙認できない理由は

隣のお部屋のお客様は正規料金でお飲みいただいているから

です。

飲み物
意外と知られていない飲料持ち込み不可の理由

宿側のその場の売上、損得の問題ではなく、宿にとってどちらが大切なお客様か、ということとともに、マナー違反をいったん許してしまうと宿としての最低限のモラルが波状してしまいます。マナー違反をされている方に対して「あなただけ特別(に持ち込みOK)」とするのは正規でお支払いいただいているお客様に対して失礼になります。

インターネットでも「何で旅館に飲み物持ち込んじゃいけないんだよ!」との書き込みを見かけることがあります(ちなみに当館のリピーターさんではほとんどそういった方はいらっしゃいません)が、レストランや居酒屋同様お飲み物もご注文いただくのがルールだからです。また、隣のお部屋のお客様はちゃんと正規料金を支払ってお飲みいいただいてます。宿泊がベースのホテルと異なり、飲食業として夕食もお出ししている日本型宿泊施設の特性であるとご理解いただけましたら幸いです。夕食付、という業態の方が世界的に見たら特殊なんです。でも、そのために飲食業の許可を取り、保健所の審査やルールに従って食の安全や日本の旅文化を守ってきている、とも言えます。その対価として飲料にも上乗せ料金をいただいております。

旅館で食事の際に持ち込んだ飲料を飲むという行為をやってはダメということを知りながらやっている人は「レストランに平気でお酒を持ち込んで飲んでいるモラルの人」に私たちは見えているのです。

でも、、、、

宿側も
私たちは飲食店営業の許可を取って夕食を提供しています!
一般の飲食店と同じです。

ってこと、もっともっと知ってもらう努力をしないといけませんね。
単にそのことを知らない方が多いだけのような気がします。

飲食店に飲み物持ち込む人はいません。宿も同様にそれはダメなんですよってことを知ってもらう努力を宿側が怠っているだけのようにも思います。今回はそのことを知っていただく上でも、あえて書いてみました。

あ、ちなみに当館の場合、お部屋に冷蔵庫がないおかげで?!お休みいただくお部屋への飲料持ち込みに関して制限を設けていません。逆に各部屋に冷蔵庫が設置されている旅館の場合は、お部屋にも持ち込み不可とされている場合がありますのでご注意ください。この辺のルールが宿によって異なるのもややこしさに拍車をかけているのかもしれません。ザクッといってしまうと、格の高い旅館ほど不可の場合が多いです。当館の場合は民宿なので、食事の際は不可、お部屋はOKといった感じです。参考にしていただけましたら幸いです。

明日は「持ち込み料」を支払って許可を頂くケースについてお話したいと思います。

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TODAY’S PHOTO
かどやのジュース自販機
かどや自販機
定価販売、ペットボトルもあります。
外で買ってからお越しいただなくても大丈夫です。

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香住/佐津/柴山 民宿美味し宿かどや
Tel:0796-38-0113
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コメント

  1. aaa より:

    営業法だのマナーだのっていう協調圧力じゃなく、
    持ち込みたいと思っている個人を納得させられる理由が必要だと思う

  2. Gaku より:

    ご意見ありがとうございます。食品衛生法は理由になりませんか?宿泊施設の業態が多様化してますので、理由よりも不可の宿がある、と認識されておくことの方が大切かと思います。持ち込み可の宿泊施設もありますので、確認してOKならばそのお宿を選べば良いでしょう。ただわからなければ、確認した方が良いですね。持ち込んでOKを当たり前のように思ってらっしゃる方もあるようです。黙って持ち込んでチェックアウトの際、法外な持ち込み料を突然請求される場合もあるかもしれません。トラブル回避のリスクも含め、私は宿のブログで書かせていただきました。原則、日本の旅館や民宿は食堂、食事場への持ち込み不可です。もちろん、ホテルのレストランも不可です。

  3. aaa より:

    法律とか決まりとかじゃなくてね、感情をくみ取った上でご遠慮くださいって対応がいるんじゃないかな
    トラブル回避のリスクとか他の宿がどうとか言ってしまうと「客をもてなして対価をもらう」とかいうより「いかに安全に金を巻き上げるか」って思想をしているように伝わって来ちゃうよ

    • Gaku より:

      宿泊すると食事もついているのは日本特有の文化です。食事を提供することは食品衛生法にのっとり、レストランや食堂と同様の扱いになることはあまり知られていませんが。
      今後民泊という制度もでき、宿泊施設は更に多様化します。今の若い方、あるいは海外からいらっしゃる方にとっては我々の方が、日本の方が非常識に映っているかもしれません。
      だからこそ、私は説明義務が宿側、旅館側にあると思っています。残念ながら「感情を汲みとった上でご配慮」で通じるのは昭和生まれ以上の日本人だけです。
      「安全に金を巻き上げようとしている」と思われてるのを回避して書かない方がこれからの時代、無責任だと私は考えています。
      あくまで、私がそう考えているだけで、おっしゃりたい意味は理解しています。持込みされたい場合はそういった選択肢のできる宿泊施設も増えてきています。
      わざわざ持込み不可の宿に持込みしてトラブルを起こす必要もないでしょう。

  4. aaa より:

    その昭和生まれ以上の日本人がわざわざ持込み不可の宿に持込みしてトラブルを起こしてる場合の対処として法律ガー決まりガーなんて言っても無駄どころか火に油を注いでしまうと言ってるんだけどなあ

    • Gaku より:

      確かにそういった人もいらっしゃるかもしれませんね。でも、年々減ってきていると思います。あとは宿側ができないことをちゃんと明確に示すだけかと。なのでごめんなさい。私は「火に油を注いでいる」っていう理由で宿側があいまいにしていることの方が良くないと考えます。この辺は考え方、受け取り方の違いですので・・・。宿側もお客様もそれで自分の考え方に合った選択をすればよいかと。そういった受け取り方もあるというのは参考になりました。ありがとうございます。

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