旅館のお部屋に冷蔵庫がない理由

施設について

おはようございます!
民宿美味し宿かどやのGakuです。


今日はお宿の裏事情的なお話を少し・・・。


お部屋に冷蔵庫。あればいいなーとご意見をいただくことがあります。
当館のクチコミにお寄せいただいたこともありますし、他のお宿さんでもよく目にするご要望です。


でも・・・
これって意外と簡単な問題ではないんです。
今日は当館の場合も踏まえ、一般的に旅館に空の冷蔵庫がない理由をお話しさせていただきますね。


かどや お部屋の看板
旅館の客室に冷蔵庫はあった方が良い?


そもそも、旅館に冷蔵庫ってあったでしょうか?


はい、ありましたね。
多いのが飲料が最初から入っていて飲んだ場合紙に書いてチェックアウト時フロントで清算、というパターン。
(当館にはありません)
見方を変えれば上げ膳据え膳を楽しむ日本旅館の文化の一つと言えます。


当館が置いていない理由。
実は当館のような小規模民宿の場合、単純に電気容量の問題です。
客室の数だけ冷蔵庫を置く、というのが電気容量的に厳しい小規模施設はこのパターンが多いのです。
お部屋にドライヤーを1台ずつおけないのもそれが理由です。


かどや お部屋
ゴメンナサイ!当館の場合、お部屋が狭く、冷蔵庫を置くスペースがないという話も(>_<)


では、一般的な旅館の場合、なぜ最初から飲料が入っていて空の冷蔵庫を設置していないのか。


そもそも、空の冷蔵庫を設置している、というのはビジネスホテルさんなどの常識で、旅館では外部から持ってきたものを入れる冷蔵庫、という考え方がないのです。


理由は「旅館では食事をお部屋で提供するから」です。
客室内の冷蔵庫を使用するのに、外から買ってきた飲み物を入れる、ということを多くのお客様が想定されると思います。
が、実際は飲食物、買ってきた食べ物や食べ残しを入れて置かれるケースがあり、それが保健所的にNGになってしまうのです。


旅館は食中毒を出さないように配慮する責任があります。
実際、過去に当館のある集落でも食中毒が発生し、該当のお宿さんが厳しい取り調べにあったのですが、結局原因はお客様がお昼に買っていたテイクアウト弁当の残りを夜中に食べたのが原因だった、ということがありました。


お部屋で食事を提供する宿泊施設の場合、お客様の持ち込みに対して非常にシビアになるのは、そのことが一番大きな理由です。


従って「部屋食」で「冷蔵庫付の部屋」というのは成立しないのです。
逆を言えば、食事は広間や食堂で、といった旅館や民宿さんならばお部屋に空の冷蔵庫は置かれている場合があります。


ビジネスホテルさんと旅館は食品衛生的にイコールではない、ということを、旅館側がちゃんと発信していないことにも原因がありますが、お客様にも知っておいてほしい豆知識でもあります。


ちなみに当館の場合、お風呂あがり用のウォータークーラーを設置しておりますし、自販機のジュース類(「いろはす」もあります)も定価販売です。お部屋で上げ膳据え膳にはなりませんが、館内で飲料を気軽にお求めいただけます♪

タイトルとURLをコピーしました