なぜ、宿泊施設は飲料の持ち込みを嫌がるのか

宿泊施設はなぜ飲料持ち込みを嫌がるのか 旅の楽しみ方
宿泊施設はなぜ飲料持ち込みを嫌がるのか

なぜ、宿泊施設は飲料の持ち込みを嫌がるのか

おはようございます!民宿美味し宿かどやのガクです!!

今日は、久しぶりにこのお話をさせていただきます。

宿泊施設はなぜ飲料持ち込みを嫌がるのか

宿泊施設はなぜ飲料持ち込みを嫌がるのか

以前、飲料持ち込みの記事で、たくさんのアクセスをいただきました

当ブログ10年の中で最もバズったブログ記事はこちらです。

なぜ、旅館に飲食物(特に飲料)の持ち込みをしてはいけないの?
旅館でお食事の際に飲料の持ち込みがダメなのはなぜでしょうか。食事中の旅館は飲食業の許可をとったレストランや食堂と同じ扱いだからです。更に、私たちが持ち込みを黙認できない理由は隣のお部屋のお客様は正規料金でお飲みいただいているからです。

書いたのはもう7年前になるんですね。投稿した時は数日後に3日で8万アクセス、今でも週2百アクセス前後あります。飲食店に飲食物を持ち込んではいけないのは周知されているのですが、同じ飲食店営業の許可を取っているはずの宿泊施設の夕食は持ち込み不可であることが知られていない。これは業界側の周知不足もあると指摘させていただきました。

飲料持ち込みをされたくない宿側の本音

先述の記事を書いた際、

そう入っても、結局は持ち込みされると儲けが減るから嫌なんじゃないの?

ってご意見も多数いただきました。”宿側の本音”ってやつでしょうか(笑)。

確かに、バブル全盛の団体客の多かった時代はそうだったと思います(私が宿を継いだのはバブルが弾けた後、それでもまだギリギリ団体のお客様があった時代です)。

これ、実は正解のようで正解ではありません。私が宿を継いだ1998年というのはバブルが弾けて数年後、団体旅行客はまだ多いけど、持ち込みで経費を浮かせようとする、という思考が出だしてきた頃かと思います。バブルの頃は”経費を浮かせる”って思考自体がありませんでした(笑)。つまり、持ち込みが横行しはじめた時代です。

「儲けが減るから」というのはお客様側が想像する宿側の本音です。実は、宿側の本音は違います。

持ち込みは”儲けが減るから”ではなく、”損害が出るから”嫌なのです。

なぜ、宿が持ち込みを嫌うのか。多くのお宿さんが経験してきていることなのですが、持ち込みを容認すると実質「飲み放題」になってしまう。飲み放題になると、時間通りに終わってくれない、更には大騒ぎにより、お客様に迷惑をかける。ひどい場合は器物破損や嘔吐によるお部屋の汚れ等を生じさせます。

飲み過ぎによってお部屋を汚されたり他のお客様に迷惑がかかったりが嫌

飲み過ぎによってお部屋を汚されたり他のお客様に迷惑がかかったりが嫌です

勿論、ひどい場合というのは団体客の場合ですので最近は少ないでしょう。しかし、お酒が進むと声が大きくなる。終了時間(当館の場合21時)になっても終わらないといった事象が発生。実際にそのような経験をされているお宿さんは少なくないと思います。コロナの前から宿業界における人手不足、22時以降はスタッフの深夜勤務加算も伴い、大変厳しくなっています。

・・・

とはいっても、コロナ禍となり、当館の場合、組数制限、人数制限を行なっていることもあり、持ち込み云々でのトラブルは、ここ数年ほとんど起きていません。なぜ、あえてこのお話をしたのか。今流行りのBYOに関する要望が増えてきているため、こちらの対応が必要になってきていることを実感しているためです。

当館におけるBYO(飲料の持ち込み)に関するスタンス

旅行はお客様にとって大切なイベントです。私自身、旅行の予定を入れたら、何ヶ月前からでもワクワクしています。

その際、「このお酒でお祝いしたい」、たくさん飲みたいからではなく、特別な旅行をより良いものにしたい、そのためにこのお酒が欲しい、という要望はあろうかと思います。旅行における夕食はメインイベント。素敵な”場”にしていただくためのお手伝いは是非とも行いたく思っています。だからこそ、お客様も罪悪感なく、気持ちよく持ち込みをしていただきたい。宿側からBYOシステムを明文化しておくことが必要なのではないかと強く感じています。

BYO(Bring your own)とは?

直訳すると「自分自身のを持ってきて参加してね」という意味。つまり、「自分のお気に入り(のワイン)を持ってきてね」という意味です。

海外では、BYOレストランと言って、飲料は全て持ち込み、レストランは料理を提供するだけ、というところがあります。勿論、飲料を置いているけど持ち込みもOKですよ、というところもあります。日本の場合は後者の方が一般的です。

当館では、以下の通り、BYOを明文化させていただいております。

BYO(Bring your own)ワイン・冷酒の持ち込みについて(持ち込み料)
BYOの試みは「たくさん飲む」ということを想定しているのではなく、「記念日に特別なお酒を用意したい」「美味しいお料理にどうしてもお気に入りのお酒を合わせたい」といったお客様のご要望に対してお応えするものです。お客様にとっても明文化されている方がスッキリするのではないか。ということで今回ブログにて書かせていただきました。

ワインボトル・冷酒4合サイズ・・・税別1000円/1本
※2合瓶や缶ビール・小瓶等の場合は、税別1000円/2本

日本酒1勝瓶・ウイスキー焼酎等ボトル・・・税別2000円/1本
※氷は無料でおつけします

宿泊予約サイト等に対する要望

最後に、これは国内の宿泊予約サイト(楽天トラベル、じゃらんnet、Yahoo!トラベル等)に対する個人的な要望です。各施設紹介の詳細説明欄ににBYOの項目を作ってほしいです。夕食時に飲料の「持ち込み可(無料or有料)」「持ち込み不可」を記載、有料の場合はいくらか(例えばワイン1本千円)も掲載。夕食付の宿泊プランを販売しているのは日本の独自性ですので、国内の宿泊予約サイトが積極的にこのことを発信して欲しく思います。宿泊施設の夕食は保健所の認可を受けた「飲食店営業」。お客様に持ち込みは確認が必要なことは知っていただくきっかけにもなると思うのです。

宿泊施設だけの特別ルール、夕食を伴う日本の宿泊施設ならではの起こり得る事象かと思います。そこに、レストラン等で行われているBYOの考え方を取り入れる。これからはそんな時代なんじゃないかなって思っています。「旅館」「民宿」といった日本式の宿も岐路にきているように思います。そんな変化にお客様もご理解頂ければなぁと思っています。

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